
日本を含む世界のあちらこちらで、過去に経験した天候とは大きく異なる事象が発生しています。気象の変化による損害は、農作物だけでなく住宅や自動車にも深刻な被害を与えています。このコラムでは、台風や大雨、極地的な雨による洪水、竜巻などのさまざまな自然災害に対する、火災保険・家財保険と自動車保険の補償について解説します。
⭐火災保険・家財保険で、自然災害はどこまで補償されている?
火災保険は、保障の対象となる建物や家財が、火災などによって損害を受けたときに保険金を受け取ることができる保険です。一般的に火災保険・家財保険では、こちらの内容が補償されます。
台風や竜巻などによる損害例
[建物]
・台風や竜巻など強風の影響で、屋根瓦が落ちて破損した。
・飛んできたものが建物にあたり、壁が破損した。
[家財]
・強風で窓ガラスが割れて、雨や風のために家具がダメになった。
[建物]
・豪雪で家が倒壊した。
・雹(ひょう)があたって窓ガラスが割れた。
[家財]
・豪雪・雹(ひょう)の影響で家具が壊れた。
落雷による損害例
[建物]
・落雷により火災が発生した。
[家財]
・自宅のアンテナに雷が落ちてテレビが壊れた。
洪水・集中豪雨・高潮・土砂崩れによる損害例
[建物]
・集中豪雨のため、土砂崩れが発生し建物が損害を受けた。
・河川が氾濫し、床上浸水となった。
[家財]
・床上浸水のため、電化製品や家具が被害を受けた。
・火災保険・家財保険だけではこれらによる損害の補償を受けることはできません。火災保険とセットで地震保険に加入することが必要です。
⭐自動車保険(車両保険)ではどこまで補償されている?
自動車保険は、大きく分けて3つの補償を受けることができます。
1. 相手への補償
2. 自分や同乗者への補償
3. 自分の車への補償
自然災害によって生じた損害の補償も受けられます。
台風よる損害例
・機械式駐車場が水没した。
・石が飛んできてフロントガラスが割れた。
・土砂崩れによって損害を受けた。
落雷・雹(ひょう)災による損害例
・雷が落ちて、自動車に穴が開いた。
・雹やあられが当たって、屋根がへこんだ・窓ガラスが割れた。
車両保険を使って修理した場合は、1等級ダウン事故が発生したとみなし、翌年、事故有係数適用期間が1年加算されます。
竜巻による損害例
・竜巻によって自動車が飛ばされて損害が生じた。
車両保険を使って修理した場合は、1等級ダウン事故し、翌年、事故有係数適用期間が1年加算されます。相手方への賠償に車両保険を使った場合は、3等級ダウンし、事故有係数3年が加算されます。
高潮による損害例
・車が押し流された。
車両保険を使って修理した場合は、1等級ダウン事故が発生したとみなし、翌年、事故有係数適用期間が1年加算されます。相手方の車などに損害を与えた場合などは、自動車保険での補償はできません。
雪災による損害例
・屋根が積もった雪の重みでへこんだ。
・雪崩に押し流された。
車両保険を使って修理した場合は、1等級ダウン事故が発生したとみなし、翌年、事故有係数適用期間が1年加算されます。相手方への補償は、対物賠償が適用されます。相手方への賠償に保険を使った場合は、3等級ダウンし、事故有係数3年が加算されます
地震・噴火・津波による損害
地震・噴火・津波による損害や相手方への賠償は、原則的に保障されません。保険会社によっては、特約としてセットすれば、定額の保険金を受け取ることができます。
⭐自然災害に備えるための保険の活用
火災保険・家財保険に加入することで、火災による損害以外に、自然災害による損害にも備えることができます。身近な事例の補償として、有効に活用していただきたいと思います。
しかし、経年劣化、故意や注意を怠ったために起こった損害、建築基準法や消防法に違反していた場合、隙間から雨水が入り込んで起こった損害、損害額が免責額以下であった損害などは、保障の対象外です。
雨とは異なり、大きな粒の雹が降ると車の屋根などがへこむことがあり、多額の保険金の支払いが生じています。三井住友海上火災保険は、ドライブレコーダーと予測情報を連動し、雹が降る20~30分前にドライバーに知らせるサービスを4月から始めるとのことです。屋内に入るなど、事前の対策を考えるための時間が取れますね。
火災保険・家財保険、自動車保険はどちらも、自然災害のために生じる被害を補償するためにも活用できます。それぞれの保険で、保障される範囲は異なるため、加入時や更新時には、確認しておきましょう。
地震・噴火・津波による損害は、加入している火災保険・家財保険や自動車保険で、保障の対象となっているかも重要なポイントです。
年々、自然災害による影響が大きくなっています。ご自身やご家族の生活環境などを考慮し、適切な保険を選択して、備えておきましょう。